スコータイ遺跡を学びに来た少年僧 さしずめ修学旅行といったところ
仏の前で僧衣を整える ワット・マハタート
市が並び始める早朝 まだ幼い小僧が托鉢へと向かう
彼へと最初に捧げられたのは 青いパパイヤだ 唐酸っぱいタイ東北地方のサラダ(ソムタム)となることだろう
30年前も今も変わらない 一日の始まりの風景
何かを願っていたのだろうか とても真剣な表情が気になった
少女はしばしの間 少年僧の姿を追っていた
降魔の仏 ワット・サッ・シー
高さ9mほどの仏立像 ワット・マハタート
朝の蓮池に映る降魔の仏 ワット・マハタート
降魔の仏 ワット・マハタート
ワット・マハタート前の池は クラトーン(蓮華の器)が流される満月の日を静かに待っていた
スコールの雲が紅色の残照に染まり ワット・マハタートの降魔(ごうま)の仏が浮かぶ 仏の正面に満月の日まであと一日
夕刻 ワット・マハタートに向い瞑想する僧侶
王朝時代の衣装を纏い 第三代スコータイ王 ラーム・カムヘンの御前で舞う
第三代目スコータイ王 ラーム・カムヘンに祈りを捧ぐ
ミス スコータイがパレードに華を添える
突然のスコールにびしょびしょになるも かえって衆生は湧き上がり祭を盛り上げていた
皇族席のシリントーン王女に尊敬の祈りを捧ぐ
パレードはもうすぐ
ハレの日に最高のおめかし
家族 友人 恋人たちは仏の下に座し 飲んで歌い 踊る 花見ならぬ ほとけ見である
仏のもと、おとなたちは酒や料理に舌鼓を打ち、子供たちは花火に興ずる。
ワット・マハタート
美しさ・華やかさを競うクラトーンコンテスト ワット・トラパーン・グン
少し気が早く流されたクラトーン ワット・トラパーン・グン
ワット・トラパーン・グンの池に浮かべられたクラトーン・ヤイ(大きいクラトーン)
スコータイ市長から炎が移される
コムローイに厄払いと幸福への願いを乗せ 火が灯され大空へと放たれる
ミス・ローイ・クラトーンが華を添える
太陽が沈み、あたりが夕闇に包まれるころ、ひとつまたひとつと炎が灯されていく
ゆっくりと藍色を増していくワット・マハタート
何万もの炎を灯すのは 大変な陰の仕事だ 麦藁帽子をかぶったおばちゃんの顔が 種火に照らされ赤く染まる ワット・マハタート
やがてその炎の群れは数を増し スコータイ王朝の遺跡は紅色に染まっていく ワット・マハタート
水面に浮かぶ ワット・サッ・シー 池の中にも竹筒が立てられ 炎が灯される
手を離れたクラトーンの命は短い クラトーンに入れられた小銭を子供たちが奪うからだ しかし とがめる人はいない 施しとなり 徳をつむこと(タン・ブン)となるからであろう。
午前O時 撮影を終え 燃えあがる仏跡のなかにいた 小さな炎のひとつひとつは人の煩悩のようだ 何万何十万もの煩悩が燃え 解脱の世界へと導かれていく 次第にクラトーンを流す人びとの姿が少なくなっていく それに従うように 遺跡に灯る小さな炎たちもひとつまたひとつと静かに消えていく すべての炎が消え 夜を照らしていた満月が西に沈むと 新しい一日がはじまる夜明けだ わたしは 明日がタイの人びとにとって真のスコータイ(タイ語で幸せの夜明けの意)であれと祈り クラトーンを浮かべ 合掌した